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「自己防衛の自虐心」
視線はいつの間にか
遠くの景色を越えて
見えないところへ落ちていた
置き去りにした感情は
痛みだけが夢遊病
ふらりふらりと立ち出でて
苦痛をかすめて口角を上げた
確信の中で失くした心を
今でも時々思い出す
頭に過る切なさの正体も
本当はとっくに知っている
だけど過ぎゆく時の中
もう手遅れだろう
嘘を吐いて流れた時の中
もう手遅れだろう
あんなにも大切だった僕のクローン
滲み出した視界の中で
相変わらず風は冷たい
波に飲まれる景色の中で
相変わらず視線は冷たい
あんなにも大切だった僕のクローン
遠くの景色を越えて
見えないところに落ちた
あの日々はもう戻らない
燃え盛る炎に包まれ消えてしまったから
***
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