第1章

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「珍しいすね~ツェッドさんがこんなになるなんて」 「感傷に浸ってやけ酒したんだってよ、よえー癖に」 「すみません……ご迷惑を……」  少し涙も収まりぐすぐすとなりながらも謝罪の言葉を口にする。 「あ~……レオ、こいつ前の件で俺達があんまし近寄らなくなって寂しかったらしぜ」  少し微妙な顔をしながらも後頭部をかきレオ君に話してしまう、なんだかみっともなくなってきて俯いてしまう。 「あー…あれは結構怖かったっすね、クラウスさんの時ぐらいに」  怖かったの一言を聞くとまた目頭が熱くなり一段としょんぼりしてしまう。 「でも嫌いとかにはならないですしそれよりも助けてくれたからお礼をしたかったんすよ」  ぱっと顔を上げ唖然として聞いているとどうやらその為にバイトのシフトを増やしていたらしいそのせいで付き合いが悪くなってしまったらしい。 「じゃあ…」 「…………」  兄弟子をみやると不機嫌そうにそっぽを向いている。 「ザップさんはなんか葛餅探ししてたらしいっす」  なぜそんな…と思うとレオ君は食べた事がないらしいツェッドさんに食べさせようとしてたらしいすよーとニヤニヤしながら言っては兄弟子がばっ、言うんじゃねーよとレオ君の頭を目一杯ぐしゃぐしゃと掻き乱して言い合いが始まった、僕はいつもの二人を見ているとまた涙が出てしまった。 「泣き虫魚類~」 「大丈夫っすから泣かないでくださいよツェッドさん」  兄弟子に頭を撫でられしゃがんで頬を撫でてくれるレオ君に泣きながらも笑顔を送った。
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