それから、ぼくらはずっと一緒だった。

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 そんな風に3人の張り込みは続いていった。  大体洋介が最初に飽きて、持ってきた色んな企画を始めた。  5日目の夜に花火をし、8日目の昼に虫取りをし、13日目の夜は親に内緒で夜9時まで芝生の上に寝っ転がって星空を眺めた。  真っ暗な空にダイヤを散りばめた様な星空が、梢の中に丸く切り取られている。  その梢はざわめき、星も瞬き、それはまるでどこかこの星の鳴動を思わせた。  きらきら、ざわざわ。  それを見ていると要の心もざわついた。  何か知れない不思議な、衝動というか郷愁感……というか、そういう物に急かされているような気がした。  隣を見る。  洋介が有江の腹に頭を向け――丁度直角になるような位置で寝っ転がっていた。  こちらには目も向けずただ一心に星空に目を凝らしている。  草むらに半分体を沈めて、その瞳をキラキラと星の光に反射させながら。  まただ。
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