ある日、それは何気ない日常会話から始まった――

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 そのまましばらくゴソゴソと蠢いた後、 「さ、お前らも手伝えよ」  言って持ってきたバーベキュー用品を取り出してしまった。  その様子を見て要と有江も1度だけ目を見合わせて、ふっ、と笑ってそのままバーベキューの準備に入ることにした。  要と有江で4脚の組み立て、設置を行い、洋介が火を起こし、その間に持ってきた食材を要と有江で切っていった。  組み立ては説明書にはりついて読んでもよくわからず、結局4度も作り直し30分を要した。  その都度待機中の洋介が 「まだかよ~、まだまだか~? 俺すっげー腹減ってるんですけど~?」  と野次を飛ばした。  しかし次に洋介が新聞紙と薪を使って火を起こす時はその何倍も苦労した。  持参した100円ライターで火を点けるのだが、洋介自体がライターに慣れていなかったようで、撃鉄を弾くたび 「うわ! ……うわ!」  と声を上げてビビり、ちっとも点けられなかった。
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