ある日、それは何気ない日常会話から始まった――

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 そしてようやく点けられたところで新聞紙に翳すのだが慣れていないと風を手で遮るということも知らなかったみたいで点いた瞬間に消す、ということをこれまた何度も繰り返した。  そうこうしてる間に要と有江組による野菜の下ごしらえが終了し、あとは串に通すだけという状態になったものの洋介の作業の遅さに焦りを感じ急遽有江が助っ人として加わることにした。  そうして要はひたすらに具材に串を通した。  肉、ピーマン、肉、玉ねぎ。  肉、赤ピーマン、肉、人参。  肉、黄ピーマン、肉、椎茸。  刺してる時もその肉のぷりぷりした瑞々しさと野菜の水滴がついた新鮮さに腹の虫が鳴った。  そうして一通り刺し終えて2人の様子を見たところ、まだ全然進んでいなかった。 「おっまえらまだ終わってないのかよー。てか何やってんだよー」  駆け寄る。  見るととりあえず有江の助けもあり新聞紙に火を点けるところまで出来るようになったようだが、そこから薪にまで火を移すのがうまくいってないようだった。
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