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話を聞き終えたひつじは、ドアの手前に立ったまま、しばらく動かないでいた。
無言で、動揺を隠し切れてない様子だ。
「そんな大変な事になっていたとは…。わたくし何も知らず、大変お恥ずかしゅうございます」
三人を前に深々と頭を下げるひつじを見て、慌てて手を振る奈央子。
「あ、謝らないで下さい!ひつじさん。ひつじさんまで巻き込んでしまって、こちらこそごめんなさい」
さらに謝罪すべく口を開こうとするひつじの気配を察知した野城は、奈央子とひつじの謝罪合戦になるまえに、話を切り出した。
「でさ、とにかく時間がないんだ。あの乗組員の言ってた話では、修学旅行であることを武器にしてる感じだったね。あと六日しかない。
僕らの作戦なんだけど、睡眠薬をレイさんに飲ませれないかなって」
ひつじは慎重に言葉を選んでいるようだった。
「ですが、眠らせたとして、その後は?」
「だから一緒に考えてよ」
野城はため息を吐いた。
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