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「しかし、お嬢様のお兄様が実行犯だったとは・・・」
ひつじはルナの兄が実行犯だという現実に、相当衝撃を受けているようだった。
ひつじは完全に薬品室の中に入り、 開いていたドアを右手で閉め、腕組みをしてドアにもたれた。
「君は会った事あるの?」と野城。
「いいえ、わたくしはありません。わたくしはあくまで野城家に雇われていた身ですから。
充様のフィアンセとして、お嬢様にもお仕(つか)えさせていただいていたまでで、お嬢様のお兄様のことは正直、詳しくありません」
「そう。なるほどね」
「ところで、皆様だけで優様を救出しようと考えておられるとの事ですが、無理は禁物でございますよ。
仮にも相手は大人です。
しかも修学旅行中にも関わらず、体調不良と嘘をつかせて部屋に監禁するとは、かなり大胆ですし、自信の表れとも取れます」
「それだって、社長の命令なんだろ。一番悪いのは社長だ。レイさんは、やむを得ず従ってるだけだと思うんだよな。
レイさんは何もヤクザ屋さんじゃない。彼の本来の姿は、社長の秘書だ。その道のプロの人じゃないんだからさ、彼は」
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