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私の愛する彼は人殺しだ
彼は自分の好きな人を殺してしまう。
けれど彼は、私のことは愛しているから殺さない。
彼はいつも優しい、だって私を愛しているから。
今日だって彼は私に、いつものように言ってくれるだろう。
一言、『愛しているよ』と
あぁ、今日も彼が来た。
「糸、今日も君は花のように美しいね」
彼は今日も来てくれた
私に会いに私の家に、嬉しい愛しい
貴方も、愛しているのはこの私
苧環 糸 だけよね?
「いつもありがとう釦さん
でも花の様なんて花に悪いわ」
花の様なんて言ったら花達が畏縮して枯れてしまうわ。
「いいや君は美しい、まるで水仙のようだ。そんな花の様な君には水をあげないと、今日は珍しい紅茶を持ってきたんだ。どうか僕と一緒に飲んではくれないかね?」
今日も彼 天竹 釦 は完璧だ気遣いができて優しくて、そして私のことを愛してくれる。
あぁ、今日も私に『愛している』と言って。
いつものように早く、早く!
「ねぇ釦さん紅茶よりも、いつものあれを言ってくれませか?」
早く早く早く
「ははっそんなに好きなの?あの言葉」
えぇ好きよ、だから早く!!早く!!
「わかったよ、だからそんな目で見ないでおくれ僕の美しい水仙?」
あぁ、やっと言ってくれるのね
『好きだよ俺の糸』
え?
違う、その言葉じゃない私が求めているのは
だって、だって、
貴方は私を愛しているから殺さないのでしょう!?
「違う、違いますわ釦さま。その言葉ではありませんわ、だって……
だって貴方は私を愛しているはずでしょう?
好きなんて言葉はいりませんは!!早く私に『愛している』と言って」
だって、貴方からの好きの意味は……
「だからいっているだろう?好きだと、それとも俺からの好きの意味、分からなかったかい?じゃぁきちんというね?」
やだ、やめて、やだ
「『好きだよ糸。だから、ここで俺に殺させてくれ』」
「やだ嫌よ、なんでなんでなんで?昨日まではあんなに愛していると言ってくれたのに!!どうして!!嫌嫌嫌嫌イヤ嫌嫌嫌嫌イヤいやいや
「うるさいなぁ、君がもうちょっと我慢強かったらまだ殺されなかったんだよ?だから自業自得。
君が俺に好きだと言わせたんだから、さっさと死にさらせ傲慢女」
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