2人が本棚に入れています
本棚に追加
何故健は、レイナが、健が見えなくなるなんて言うことを言うのか分からなかった。
レイナは健に尋ねた
「健ちゃん、まるで、私の前から消えてしまう様な言い方をするのね。どうして、私は、これからだって、毎日、健ちゃんに会いに来るよ。なのに、どうして。」と言う。
健は小さく微笑みながら言う。
「レイナ、君が大きくなればなるほど、ぼくの姿は、君には見えなくなるのだよ。僕はそれが悲しくてたまらないんだ。ずっと君と一緒に居たいと思っても、君が大きくなればなるほど、君はぼくから離れていくんだよ。」と健が言う。
レイナは、「健ちゃん、レイナは、ずっと健ちゃんと一緒にいるよ。毎日会いに来るよ。」と必死になって言うが、健ちゃんの顔から、悲しみが消えることはなかった。
レイナの心の中に不安が広がった。
それから、レイナが健ちゃんに会いに行っても、健ちゃんは、レイナに姿を見せる事はなかった。
レイナは、時々天神さんの境内に来ては、桃色梅を眺めるようになった。
最初のコメントを投稿しよう!