桃色梅

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レイナは健ちゃんと別れて、駅のホームに立っていた。 電車が来るまでの間に梅の香りを乗せた春風がレイナの頬を撫でる。 レイナは梅の香りに健ちゃんを想った。 健ちゃんが見送りに来てくれていると思った。 レイナのまわりを春風が優しく吹いている。 その風が梅の花びらを運んできてくれた。 丁度レイナが手を広げた時に手のひらに梅の花びらが一枚風に乗りひらひらと舞い降りて来た。 手のひらの中にある梅の花びらを見つめるレイナ。 レイナはそれを優しくハンカチにくるんで胸ポケットにしまう。 それは大事な健ちゃんからのメッセージのような気がしたから。             おしまい
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