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そう、トリスは「魔法が殆ど使えない者」だった。
魔法の発動には全て、
一部の人が生まれ持つ「人の魔力」を利用する。
これは、訓練などでは変える事が出来ない。
この「人の魔力」こそが、「魔導適性」とも言える。
「魔導適性」――体内の魔力を導く力。
――「魔導適性」が無ければ、魔法の発動はおろか、
魔晶石の利用も出来ない。
ただの宝石のような物になってしまうだろう。
魔法の発動には三形態あり、
一つは、「法撃」
魔晶石が内包する魔力を、
一度体内に取り込み、魔力で増幅し、
それを体外へ放出する事で発動する。
一つは、「内法」
「法撃」に近い魔法で、
魔晶石が内包する魔力を、
体内に取り込み、変換するまでは同じ。
「法撃」との違いは、
魔力を放出せず、体内に留める事。
魔力の変換によって、様々な効果が発揮できる。
しかし、変換によっては、
自身の命を脅かしてしまう。
一つは、「化法」
他二種とは異なり、
体内への取り込みは行わない。
魔晶石に魔力を流し、魔晶石自体を変化させる。
この魔法を使い、
人々は魔晶石を明かり等として利用する。
他にも、魔力を使い果たした魔晶石に、
魔力を注ぐ事で、再利用もできる。
一番日常で使われる魔法だろう。
トリスは、魔晶石の魔力を取り込むのが、
酷く苦手だった。
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