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「生き返った……」
「うーん。つらそうだね。考えてみれば、ぼくもカンナもこれまでひとりで旅をしていたから、こんな大荷物を抱えての放浪は具合が悪いかもしれないね」いまさらながら、お師匠さまは腕を組んで思考をはじめる。オレはかすかな期待を胸に、静かに次の言葉を待った。
「仕方がない。ひとまず街に飛ぼうか。そこで馬車でも調達しよう」思わず歓喜のおたけびを上げたオレをみて、お師匠さまが苦笑する。
「よかった。こんな状態がいつまでも続くのなら、バーストアップの修行なんてむりですし」
「だろうね。いたずらにきみの体力を削っても意味がない」
それで話は決まった。お師匠さまは空間に右手を突きだし、目を閉じて魔力を込めはじめる。
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