1. 惑星テータ

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―― 昼休み、偉知と湯治は机を向かい合わせて昼食をとっていた。 いつも通りの光景だが、心境に関しては今日は普段とまるで違う。 偉知が弁当の米を口に運ぶその正面で、湯治が口笛を吹きそうなほど機嫌をよくしている。 「いやー、助かったぜ偉知ィ!」 椅子の背もたれに身体を預けてゆらゆら揺らしながら、湯治はニヤニヤしながら焼そばパンをかじった。 「80点は俺の教えかもしれねーけど、16点はお前の実力だ。 俺のおかげって言ってもせいぜい8割くらいだぜ」 「ほとんどじゃねーか!」 「まあでも……湯治が二日間みっちり努力しようと思ったから点数とれたんだ。 自信持てよ。全部お前が自分で取った点数だぜ」 「よせよ、俺が天才だなんて」湯治は存在しない前髪を手で跳ねあげる仕草をした。 「言ってねーよ」 「それはそうと」 湯治は斜めに傾けていた椅子を元に戻す。 「いよいよだな」 湯治の顔は真面目に戻っていた。
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