1. 惑星テータ

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―― ほぼ一年後。 学校の教室に偉知はいた。 下校のチャイムが鳴っているなか、偉知は机の下に本を隠しながら黙々と読みふけっている。 「偉知ー!」 千直が声を掛けながら教室に入る。 偉知は気が付いていない。 「偉知? 何読んでるの?」 千直が目の前で覗き込もうとすると、偉知はのけぞった。 「うおおおおお! おいおいおいおいおいおい!」 チラリと見えたのは、成人向け漫画の背表紙。 妙に綺麗な白い太もも(の絵)が千直の目に入る。 「……」 千直を唇を曲げ、蔑むような顔で偉知を見た。 偉知の額には汗が浮かんでいた。 「な、なんだよ!」 「うわあ……。 ……まったく、バレない所で読んでなさいよ」 千直は腰に手を当て、溜息をついた。 おとがめなし。 偉知は安堵し時計を見た。 夕方5時。
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