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「さてさて」
ページをめくり、本を裏返して机の上に置いた。
PCを二台起動させ、基板にケーブルを刺してPCにつなぐ。
本を取ると机を押して椅子ののキャスターを転がし机脇の壁に移動する。
壁にはホワイトボードフィルムが貼られ、簡易ホワイトボードができている。
画びょうで提げられたカゴにはホワイトボードマーカーが詰まっていた。
青いマーカーを抜き、本を見ながらホワイトボードに複雑な数式と書き込み、メモを書き残す。
本にもう一度目を通し、再び数式を書き込む。
唸りながら式の一部に矢印を書き、そこから伸ばした場所にさらに式を書く。
こうして、壁一面が書き殴られた式と矢印だらけになっていった。
まるで呪いの文言だ。
PCの前に移動し、思いついたプログラムを打ち込む。
数式をチラリと見て、眉間に皺を寄せながら数秒唸った。
PCに打ち込むのは数式をコンピューターが理解しやすいように書き換えたものだ。
エンターを押しても起動しない。
複雑怪奇になる文字列を、能力の低いコンピューターに合わせるために簡単になるよう書き換え直し、それからまたエンターキーを叩いた。
画面に数行の文字列が現れ、一瞬硬直する。
その後、大量の文字列が雪崩れを起こして画面を埋めた。
顔が弛緩し、指を鳴らす。
「ビンゴォ!」
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