第1章~ミクの記憶~

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今日もミクは一人だった。しかし寂しくはなかった。それはここには無い想像の世界に出掛けていたからだ。 現実世界にいて現実ばかり見ていたらどうかしてしまうから、だからこうして頭だけでも逃避するのがクセになり、しばらくたって気が付いたら、かえって一人でいて過ごす時間の方が気楽で楽しくなっていたのだが、それには一つ、大きな理由がある。…………‥【いじめ】だ。…ほんとにクダラナイ餓鬼共からのイジメ。 多分、イジメというものを良く知らない者達からすれば、傷ついたり、悲しい。悔しい思いをするのがそれだと思われているんだろうが、それだけじゃない。いじめによって性格も物事の捉え方まで変わったり、場合によっては漫画の世界の住人しか恋愛対象に出来なくなってしまう。強い禁断を押し通し、結ばれるストーリーこそ最悪な現実世界に近いような気がしてきて、あっ…!と思った瞬間にはBLにハマり、俗一般で腐女子と呼ばれる者になってしまっていたり…‥。 そんな自分自身をただ放置しておくのもシャクなので、ある日ミクは思いきって自分。という生き物を、小説という形にして残してみよう。似たような人達がいるなら、自分を知ってもらって、それでも生きている。辛くて自分が惨めで疲れ果てて命をたつのでは無く、こんな生き方の人間もいるんだよ?と教えてあげたくて、小説を書くべく、自分の携帯電話を私服の胸ポケットから取りだし、画面を開いた。
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