第1章~ミクの記憶~

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第一印象で云うと、溢れる程様々な人や物が目に入る華やかな都会ではなく、田畑が目立ち時間帯によって人影が増えたり減ったりする『田舎』らしい村にミクは住んでいた。 もしかしたら、都会に住んでいて都会の人間関係に疲れている人や、田舎生活に憧れている人達からは、静かで隣の人と気軽に助け合えるような毎日を送っているのかもしれない。なんて、思われるのかもしれない。しかし12歳、小学校6年生になるミクには大きな声で「友達」と呼べるような友達は特にいなかった。  綺麗なアクアマリンを思わせる大きな丸い瞳と同色のセミロングのストレートヘア。おっとりした大人しそうな外見に一風変わった響きの高い透き通った感じの声音と子役モデル並みの細身。だからどちらかと云えば可愛い感じがする女子の部類なのでキッカケさえ有れば普通にクラスの輪の中に入れそうだが、ミクにとってクラスの輪の中に入るというそれは、全く縁の無いものだった。……と、いうのも、小さい頃は特に身体が弱く、幼稚園も半分くらいしか行けない程で、小学校に上がった時もクラスメイトがしている話題に全くついていけなかったからだ。
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