第1章~ミクの記憶~

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まず、入学式を終え一年生になって初クラスの子達と初顔合わせをする予定だったオリエンテーション日、当日。ミクにとって周りのほとんどが知らない子ばかりだったけど、見た感じではクラスメイト三十四人中五分の一が顔見知りの友達同士みたいな風に感じた。でも、ミクが知っていたのは幼稚園で同じ組で、唯一人見知りで泣き虫だった自分に優しくしてくれて面倒を見てくれた女の子一人だけだったけど、その子はミクの知らない別の子と話をしていたので、声を掛ける事が出来なかった。 「‥……。」 どうすれば良いのか分からなくて、ただ小さな塊になって指定された椅子に座って困っていたら、知らない女の子が話し掛けてきてくれた。 《ねぇねぇ、プリティームーン見てる?》 その瞬間、すごくドキッ!として、緊張したけど、同時に、なんの事だか分からなかったからブンブンと左右に大きく頭を振って、 「…なに?」 と聞いた。でも、そうしたら《ふぅん、知らないんだぁ》と云われて、他の子達の所に行かれてしまって…それが、ちょっと悲しくて、鼻の先がツン‥と痛くなって、涙が込み上げてきそうになっていたら、今度は知らない男の子が話し掛けてきてくれた。 [ねぇねぇねぇ、あのさ、ソフト好き?] その瞬間、やっぱりすごくドキッ!として、緊張したけど、今度は、なんの事だか分かったので、答える事に少しビクビクしながら 「う‥うん。好き」 と勇気を出して答えると、その男の子はとてもウキウキした様子で、 [何シリーズが良い?] と聞いてきたので、話が出来る事にドキドキしながら頑張って答えた。 「うんと…あの‥‥バニラとチョコ!」 しかし、そのとたん、その男の子は大声で[はぁあ!??]と云ってから、 [お前何云ってんの?うわー!!コイツ超やべェ!] と叫ばれてしまったので、なんの事だか?どうして良いのか分からなくなってしまったミクは泣いてしまった。…‥この瞬間が、クラスのはみ出しモノになった瞬間だ。
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