3人が本棚に入れています
本棚に追加
ミクが通う小学校は決められた制服有りの小学校では無かった為、服装は基本自由だった。…だが、登校する為の班が一緒の同級生と上級生の女の子達と比べると、大抵違う。とパッと見ただけで分かるくらい違う服装をしている事が最初は多かったようだ。
どういう事かと云うと、ミクは身体が弱かった為もあり、一々試着なんかしなくても用意された洋服はなんでも着られるくらいとにかく痩せていたし、一人っ子だった為、一見お出掛け用と思われる上品な服を何着も持っていたワケだ。
しかも、大人しく座っていなさいね。と云われたら指定された時間はちゃんと大人しくしていられた子なので、どんな服を着せておいても汚れない。仮に何かあったら、いくらでも着替えはある。という暮らしをしてきたから、フリル付き紺や青の可愛いワンピースや、ブラウス、スカート、髪りぼんなど、清楚なお嬢様という表現がとても良く似合う服装が多かった。
それと比べて他の子は何をしても大丈夫な動きやすい服装だったので、多分そのせいで〔白タイツ〕だの【黒タイツ】だの〔今日もお前だけ××着てる!〕だの【ミクだけ××だからバリア!】だのと云いたい放題云われたり、かぶっていた帽子を何度も何度もずり落とされたり、背中の鞄の隙間から収まりきれなくて顔を覗かせていた長い定木を抜き取られて、頭だの肩や鞄などを適当に叩かれたり、‥だから、学校につくまでの短い間に何回くらい泣いたのか?数え切れないくらいだ。だが、それなのに学校についたら後ろの席の子に消しゴムのカスを後頭部めがけて投げられたり、昼休みにトイレに行っていた隙に、妄想した楽しいストーリーを書き貯めていた自由帳に変なグルグルの落書きをされていたりで、もぅ…‥どうしたら良いのか分からなくて、とにかく悲しくて、〝先生に言い付ける!〟という考えが浮かばないミクは教室でも一人静かに泣くしか出来なかった。でも、そうやって泣きながら、今の悲しいのよりもっと悲しい何かを探していたら、妄想の世界に悲しいストーリーが生まれた。
最初のコメントを投稿しよう!