第1章

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誓っていうけれど、 ぼくは歩道とも呼べないような幅の白線の内側をきちんと走っていた。 自転車だからもちろん左側通行も守って。 通行量はさして多くなく、 対向してくる車もごく普通のスピードで走っていた、 と思う。 そんな直線の道路でその対向車がいきなりぼくの方にハンドルを切ってきた。 「マジか!」 運転手のおじさんは聞こえないけれど口を大きく開けて何事か叫んでるようだった。 だけどこっちも必死だ。 避けようにもぼくの左側は田んぼが広がっていて。 がしゃん。 音は意外と軽かった。 そしてぼくの身体は飛んでいた。
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