第1章

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「痛てててて…」 強かに打ちつけた後頭部をさすりながら起き上がると、 異様なモノがぼくをのぞきこんでいた。 「うわっ、 なに? なんだコレ!」 「おぉ、 オラが見えるだかおめぇ」 「は?」 ぼくをのぞきんでいたモノは形は人間によく似ていた。 背恰好は小学生くらいでちょっとずんぐりした体形。 白と青の縞の着物は膝丈で、 何だかコミカルだ。 三角の、 お土産屋で売っている編みがさのようなものを被っている。 今時こんな子どもがいるとも思えない。 いや断言すると、 こいつは人間ではありえない。 笠の下からのぞく顔には大きな目がひとつだけ、 その下に小さな鼻と口がついていて、 肌はやけにつるりとしている。
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