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「痛てててて…」
強かに打ちつけた後頭部をさすりながら起き上がると、
異様なモノがぼくをのぞきこんでいた。
「うわっ、
なに? なんだコレ!」
「おぉ、
オラが見えるだかおめぇ」
「は?」
ぼくをのぞきんでいたモノは形は人間によく似ていた。
背恰好は小学生くらいでちょっとずんぐりした体形。
白と青の縞の着物は膝丈で、
何だかコミカルだ。
三角の、
お土産屋で売っている編みがさのようなものを被っている。
今時こんな子どもがいるとも思えない。
いや断言すると、
こいつは人間ではありえない。
笠の下からのぞく顔には大きな目がひとつだけ、
その下に小さな鼻と口がついていて、
肌はやけにつるりとしている。
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