第1章

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「ふーん、 そうだべか」 顔のほぼ半分を占める巨大な目玉がぎょろりとぼくを見た。 そしてそいつがやけに指の短い子どもみたいな手を伸ばしてきたと思ったら。 指先がぼくの左目に触れ、 そのままずぶずふと入りこんできたのだ。 「え?」 何が起きているのかまったく判らなかった。 「ひ、 ひぃぃぃ?」 混乱して後ずさる。 するとそいつは一歩近づいてきて、 指はぼくの左目につっこんだままだ。 そしてすぐに気がついた。 全然痛くない……何だこれ? 目の奥をくすぐられてる感触がして、 すぽん、 と目玉が取り出された。
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