ダンプとカラス

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「!!」  真島が僕を抱きしめていた。昨日の、誰かと間違えての抱擁とは違う。されていることが理解できなくてポカンとした後、心臓が飛び跳ねた。 「まじま、さん……?」 「お前の決断は、お前にとって大変なことだって、わかるよ」 「……」 「よく決心したな」  染み入るような優しい声が、頭の上に振ってきた。力強く抱きしめられているのをいいことに、思わずその身を預けてしまう。  少しすると真島の体の変化に気付いた。僕の腹にあたる硬いもの。  真島を見上げると、バツの悪そうな顔をしている。赤面する真島を見るのは、出会ってひと月で初めてのことだ。  跪き、自然とそこに手を伸ばした。ウエストの紐を解き、ハーフパンツを下着ごとずり下げる。目の前の屹立に自然とため息が漏れた。 「クロ?」 「……させてください」 「俺が勝手に盛っちゃっただけだ。そんなこと、しなくていい」 「僕が、したいんです」  エラの張った部分に頬ずりするように顔を寄せて、裏筋に沿ってつうーっと舌を這わせた。先端はすでに濡れており、久しぶりの雄の匂いにくらくらする。  いや、嗅いだことがないほどの男臭い匂いだ。真島の男らしい外見そのものみたいな匂い。麻薬のように引き寄せられ、夢中で舌を這わせ、口に含んだ。 「くっ……」  快感を堪えきれないように聞こえる微かなうめき声に、ぞくぞくする。口に含んだものを音をたてて吸い上げるように上下させて愛撫する。  口の中をいっぱいにする、存在感たっぷりの真島のものを咥えているだけで、体が火照ってくる。
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