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「んくっ……ふ……」
口腔内の快感が全身に広がっている。真島がそっと触れただけで、肩先の皮膚が引き攣れるようにぞわりとした。
――おかしくなる。
真島に、触れて欲しい、触れて欲しくない。相反する気持ちが渦のように巡って、もう何も考えたくなくなる。じゅぽじゅぽと音を立てて先走りをすするようにし、舌を絡めた。
「おい、いっちまうぞ」
少しの間もそれを離したくないが、真島にはそのまま動かないでいて欲しいという気持ちで、声を上げずに見あげる。
こみ上げる気持ちの意味はまだ、わからない。
だが今は真島に気持ちよくなって欲しい、そのために尽くさせて欲しい。
「んんっ……んふっ」
舌を蠢かせ、頬をへこませながら、吸い上げる力を強める。
「やばいっ……」
真島が腰を引くが、そうさせないよう舌を伸ばして追いかける。
信じられないような顔をしている真島のものがビクンと動いて、熱い迸りが喉の奥を突いた。
青臭さが鼻を抜けるのを感じながら、余さず飲み込み、零れ落ちそうな滴は舌を絡めて丁寧に舐め取っていると、手首を引かれる。
「ん……? あ!」
驚いて飛び出た声ごと、喰らわれるようなキスだった。
僕の中に己の残滓が残っていないかどうか、確かめているように口腔内を蹂躙される。やがて舌を絡め取られるようにし、吸われる。
おそらく僕はセックスの回数の割にはキスの経験も少ないのだと思う。
舌を絡めあう行為は、生々しいのに体が浮かび上がるような高揚感がくせになる。
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