ダンプとカラス

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 僕の様子がわからなくて、どれほど心配をしてくれたのだろう。そっと手に触れると、ぎゅっと力強く握り返してくれた。 「ずっと、真島さんのことを考えていました――会いたかったです」  想いを伝えると、自然と涙がこぼれた。真島がわしわしと頭を撫でて、涙を拭ってくれた。 「俺は、ずっと後悔してた。なんできちんと好きだって伝えなかったんだろうって。例えクロがあの男の元へ戻るようなことになったとしても、自分の気持ちは伝えておくべきだったと、何度も思った」 「僕もずっと、真島さんに好きだって言いたかったです……真島さん?」 「ん……」 「名前も、取り返してきました……名前は、烏山大我です」 「大我……か。男らしい、いい名前だ。だったら、クロはもう失礼だな」 「そんなことないです……烏山だから、クロって呼ばれたときにカラスのクロだって思いましたよ。なんてピッタリなんだろうって」  せっかく真島が涙を拭ってくれても、あとからあとから溢れてしまってしまいには泣き笑いになった。 「これからも真島さんさえよかったら、クロって呼んで下さい」 「いいのか?」 「はい……真島さんにクロと呼ばれて暮らしていた時、毎日が優しくて、暖かくて、くすぐったくて……とても幸せでした。あなたの口にするものはすべて僕がこしらえたもので、それをおいしそうに食べてくれて。うれしかった」  もう、離れたくない。真島の胸に縋りついた。 「これからもあなたのそばにいてもいいですか?」 「いてくれ……俺がお前にいて欲しいんだ、クロ――好きだ」
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