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再び、仕事を探し始めた。同時に真島の強い勧めもあって、大学への復学手続きも開始した。
通帳残高は変わっていなかったので多少の貯蓄はあるが、復学となるとまた学費がかかる。バイトを増やしたとしても風呂なし、トイレ共同のアパートくらいのところにしか住めそうもない。
「だったら、うちにいればいいじゃないか。大学もそれほど遠くないだろ?」
軟禁のこともあり、心配なので尚更一緒に住めばいいと言ってくれる。
だからといっても真島はもともとひとりですんでいたからと家賃を受け取ってくれない。一緒に暮らせるのはとてもうれしいが、甘えっぱなしには戸惑ってしまう。
「だったら、うちで食べるご飯はクロが作ってくれ。もちろんできるときだけでいい」
うちで食べる時の食費を家賃代わりにして欲しい、という真島の申し出に、それでも家賃程にはならないなあと思いながらも結局は承諾した。
大学は三年ぶりなので復学もギリギリだった。二年の途中から休んでいるので単位も相当頑張らなければ追いつかない。周りの生徒にはもちろん知っている顔も全くなくて、改めて入学したようなものだと腹を括った。
休学する前と専攻はほとんど変わらないがひとつだけ避けた教科がある。会わずに済めばそれに越したことはないと思っていたが、再会は意外と早くやって来てしまった。
バイトと勉強の毎日で睡眠不足気味だったその日、食堂で転寝をしてしまい慌てて次の受講教室へ移動しているときだった。
目の前の人が手に持っていた書類や教科書をバサッと落としたので、反射的に拾うのを手伝おうと近づき、そして足がすくんだ。
「烏山くん?」
「木谷教授……」
「驚いた……復学したんだね」
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