ダンプとカラス

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 げっそりとした様子で真島のマンションに逃げるように帰ってきた後、躊躇する真島を押し倒すように自分から求めた。何度しても足りなくて、もっとそばにいたくて何度もせがむうちに意識を失って、その後は丸一日眠ってしまった。  目覚めてからはものすごく真島に心配され、回復食みたいな食生活から通常の食事に戻していったりした経緯がある。  それからセックスをしていない。僕の体を気遣ってくれているのはわかる。それにただ一緒にいるだけでもすごく幸せだ。  わかっているのに、真島に求められないことは僕の心にどす黒い靄をつくる。  やっぱり女性の方がいいのではないか。  僕のことが邪魔になったのではないか。  馬鹿馬鹿しいと思いながらも、この考えは一度考え出すと止まらない。そんな自分に嫌気がさしてぐっと拳を握り、俯いていると視線の先に大きな足が見えた。 「そろそろ……寝るか」 「……はい!」  頭を拭きながら真島が戻ってきた。  落胆する気持ちを悟られないように、努めて明るく返事をして立ち上がると、手を引かれる。そのまま腰を支えられ、口づけられた。  いつもの優しい様子とはかけ離れた、情熱的なキス。僕のものとは明らかに厚みの違う舌に口の中を蹂躙され、蕩けた。  その場に立っていられなくて足がガクガクする。 「んっ……はあっ……まじまさん」 「ごめんな、クロ……我慢できなくて」 「もっと……してください」  真島の中心を探ると、そこはもうすっかり屹立していた。トランクス一枚の隔たりすらもどかしくて、せわしなく上下させる。倒れこむように真島のベッドに連れて行かれる。 「あっ……あ、まじ、まさっ……ん……ああっ」  ずっしりとくる重みを感じながら体は喜びに悶えた。真島の舌が這う、そこかしこが熱くてたまらない。 「ああっ!」
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