第1章

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「きゃん!」 言うが早いか、額に札を貼られ 狐の、姿に戻される。 何か、体がビリビリする。 「白ちゃん! 本城!可哀想じゃない 止めてあげて!」 本城と呼ばれたその男は、しれっとし 「甘やかしてばかりでは、これの為になりませんから」 そう言って、白百合をつまみ上げ 門の外にポイする。 「今度、変な真似をしてごらんなさい 屋敷に入れない様にしますよ!」 そう、言って本城は、門を閉めた。 変な真似って おねぇさんに、膝枕して貰っただけなのに… 白百合は、シュンとして山に帰る。 男は、嫌い でも、本城は 別に、嫌いじゃないのに… 白百合が、本城と出会ったのは 数年前 町で、野菜を盗んでボコボコにされ 行き倒れている所を、助けられたのだ。 「まぁ、こっぴどくやられましたね」 そう、言って抱き抱えようとする本城に 白百合は、酷く暴れた。 男の人だ。 酷いことする気だ。 怖い… そう、思った。 「落ち着いて下さい。 手当てをするだけです そう暴れては、傷が増えてしまいますよ」 本城は、落ち着かせようと声を掛けるが 「離せ!悪魔!! 僕も殺す気なんだ!!」 白百合は、言うことを聞かない 「仕方ありませんね」
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