第1章

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本城は、ため息混じりに白百合に札を張り付けた。 「きゃん!」 体が痺れて、姿も狐に戻ってしまう。 「やっぱり、狐さんでしたね」 本城は、そう言いながら 白百合を抱き抱え 屋敷に持ち帰った。 白百合は、『やっぱり殺されるんだ。 どこかの狢みないに、狐汁にされるのかな』 そんな、事を考えながら 意識が遠退くのを感じていた。 白百合が、目を覚ました時 そこは、ふかふかの布団の中であった。 「あれ? 僕、生きてる?」 狐汁になってない? 「だから、怪我の手当てをするだけだと言ったでしょう」 「ひっ!」 スーっと、襖が開き 本城が、部屋に入る。 「これから狐汁にするつもりなんだな! 僕は、食べても美味しくないんだからな!!」 キッ!! と、本城に食って掛かる白百合 「私を何だと思ってるですか 粥を作って来ましたよ」 そう、言って ため息混じりの本城は、白百合に粥を渡す。 「太らせて食べる気か! それとも、毛皮にするの?」 「だから、しませんてば 何で、そんなに人間を怖がりますか?」 「僕のお母さんを殺した!!」 「殺した…?」 白百合は、キッと本城を睨む。
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