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「猟師が射った。
それが、元でお母さんは死んだんだ!! 人間の男が殺した!!」
白百合は、瞳を潤ませつつ
威嚇し続けた。
「それは…
すみませんでした。
でも、人間もそんな人達ばかりではないのです。
少なくとも私は…
貴方を助けたかったのです」
本城は、頭を下げる。
「余計な事をしてしまいましたか?」
そう、白百合に尋ねた。
白百合は、言葉を失う。
母は、人間の男は怖い人ばかりで
近づいたら殺されるって言っていた。
でも、こいつは…
僕を殺さない?
傷の手当てしてくれた。
優しい人?
「…
助けてくれて有り難う…」
白百合は、小さな声でお礼を言った。
「いえ、貴方が綺麗だったので
思わず
名前は、何て言うのですか?」
「白百合」
「白百合ですか
綺麗な名前ですね。
私は、本城です。
お腹が空いたら何時でも来て下さい。
貴方が怪我をすると、私も心配ですから」
「お前も?」
何で、赤の他人の僕を心配してくれるのだろう。
白百合は、不思議で仕方ない。
それに、綺麗って…
コイツ、僕の事
綺麗って…
何だろう、凄く恥ずかしい。
白百合は、顔が熱くなる。
「ゆっくり、休んでお行きなさい」
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