ある一般隊員の独白

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僕は佐野 真幸 珠成学園の2年生 珠成学園は初等部からエスカレーター式の男子校で、思春期に男しか周りにいないという特殊な状況下のためゲイが他の高校より多いそうです かくいう僕もそうなんですが この高校では人気があって頭の良い人が生徒会に指命されるという伝統があります 現生徒会は歴代でも1、2を争う人気があって、特に生徒会長様の人気は凄まじいです 僕の想い人も会長様です でも、この恋が叶わないことも気付いてます 会長様は会長という役職に着く前から 中等部の頃からずっと人気でした 会長様は特定の人は作ったことがなく誰も好きになったことがないご様子でした それでも僕は会長様の近くにいたくて会長様の親衛隊に入りました 親衛隊とは一種のファンクラブのようなもので、顔立ちが良い人には必ずと言って良いほどあります そして親衛隊の多くは一般生徒に嫌われています 人気がある人ほど、より毛嫌いする傾向があります 会長様も親衛隊の事を嫌っています 親衛隊を見る度に蔑んだように笑う 嫌われても、それでも、あの強い瞳が、堂々とした態度が、真面目に仕事に取り組む姿が好きだから お姿を近くで見れることが 嫌悪に歪んでいてもその瞳に捉えられることが 単なる性欲処理でも会長様の熱が 堪らなく幸せで 僕だけじゃないなんてことは分かってるけど、このままが一番いいんだって言い聞かせて誤魔化して ただただ愛しいあの方を見つめる日々を過ごしています
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