キスフレ2ndkissVol.34 小栗編2

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びくりと膝を持ち上げて、 半泣きしてる舞と二人きりというだけで、もう、どうにかしてやろうかと 悪いことを頭の中は考えていて、 もし俺の彼女だったら、この状況、ただでは済まさない。 つーか、 なんでこいつ、俺の彼女じゃないんだよ。 どうにもならない文句を心の中で呟く。 緊張を隠すように言った文句を、舞は「バカで悪かったわね」と、 頬を膨らませて怒る。 頬が赤く染まる様子の彼女が、たまらなく可愛くて、 消毒液を握り潰しそうになった。 狼男に変化するギリギリで、 救急箱を舞に押し付けると、 リビングから逃げ出そうとラグから腰を浮かした。 すると、舞は俺の手を掴む。 頬が赤く染まり、潤んだ瞳が俺を見上げている。 「あ、ごめん」 そう言って、俺の視線を避けるように俯いた。
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