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GE社に行った理由を話すと、
素直に俺の話を鵜呑みにして、
仕事の飽くなき追求をするために、リヨンへいることを決めたとのだと、
思っている。
その瞳は、まっすぐに俺を崇拝するように向けられていて、
その視線に俺は耐えられそうもない。
本当はそうじゃない。
そうじゃないんだ。
「佐藤違うんだ。
俺はそんな尊敬されるような男じゃない」
この後の台詞をいうべきなのか迷った。
答えなど知りたくないから、
この部屋へと訪れることをあれほど悩んだというのに。
俺の想いを、あの時抱いていた感情を、
彼女に、告げてもいいのだろうか。
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