第8章

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体が休みたいと言っている。寝なきゃ、今度は明日の稽古に響く。 私は無理矢理にも意識を手放した。 「鈴、鈴」 「ん...」 「すーずーーっ」 「はい...」 重たい体を起こし、目をこすりながらノソッと起きた。 「起こしてごめんね、でもご飯は食べなきゃダメだよ」 「はーい....」 目を閉じたまま口にご飯を運び、やっと半分食べ終えたというときに、私は強い眠気に誘われお味噌汁に顔をいれそうになった。 「とっと...危ない危ない」 「スースー...」 「まったく、たいした子だね、君は。全部を投げ出しちゃえばいいのに」 「ん...沖田さん....」 寝言で彼の名を呼び、うっすらと微笑んだ。
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