第1章

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ー屯所ー 「総司ーーーーーーー!」 「うるさいなあ。なんですか、土方さん」 「てめぇ、昨日の夜のことはどう説明する気だ」 「どうって、佐之さんが説明した通りだと思いますけど」  「みすみす浪士を逃がしやがって!」 「浪士かどうかはまだわかりませんよ。それより、そんな怒ってると早死にしますよ」 「誰のせいだと思ってんだ!!」 彼は耳を塞ぎ逃げるように屯所の外へ散歩しに出た。 「非番はいいけど、何しようかな」 ブラブラと歩いていると、橋の傍で人が集まっているのが目についた。 なんとなく足を向け皆が指差す方向に視線を移すと、川で溺れている子供がいた。 誰も助けにいかないのは、最近降り続いた雨のせいで川が増水しているせいか。
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