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チッと舌打ちをする。予想に反して部活に入っていたか――それとも帰宅してしまったか。
考えてみれば上原怜央のことなんて全然知らない。興味もつながりもないのだから、知ってる方がどうかしてる。
「上原って部活とか入ってる? どうかな?」
すると別の男子生徒が口を挟んだ。
「アイツなら帰ったみたいよ。そういえば、いつもホームルームが終わるとすぐに奴、消えるわ」
「ホントに……?」
人生うまく行かない。今こそそう思うことはなかった。
パッとしないもの同士、行動パターンは同じだった。文子に会わないようにすれば即ち上原にも会えない。結局、授業しか学校に用事がないということだ。部活もしなければ、友達と遊ぶわけでもない。だから、授業が終われば、すぐに消えてしまう。
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