第2章―4

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「さぁ、どっちだったかなぁ……。ああ、でもトボトボと歩いてるところしか見たことないから、自転車ってことはないと思うよ、多分」 「アイツ、多分、電車通学のはずだよ」  隣の男子も同意した。 「電車? ありがと」  都合がいいと思った。文子の家は、駅とは方角が違う。しかも自転車通学だ。いつまでも学校付近にいることはまずないだろう。  駅までの道すがらで原怜央に追いついたとしても、それを文子に目撃される可能性は低い。駅で話してても大丈夫。  ついてる。思わずガッツポーズまで出る。  ありがとう、と礼を述べ、みゆきは自転車置き場へと走った。
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