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今は準備中なだけあって、中は凄く薄暗い。
それでも夜のお店の準備をしているのか、奥の調理場からカチャカチャと音がしてくる。
「そこに座って」
そう言いながら彼が指差した場所はカウンター席の一番端っこ。
その席に腰掛けながら辺りを見回してみる。
カウンター席は弧を描くように配置されていて、あとは四人がけのテーブルが六脚ほど。
カフェバーというくらいだから、きっと昼間はカフェで夜はバーに変身するんだろう。
「珍しいものでもあった?」
あまりにキョロキョロと見回していたからか、彼にそう訊かれてしまった。
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