第1話 浮気

浮気

「投げ遣りになってるように見えたから」

「え」

投げ遣り？

「泣いてただろ？」

「！」

バレていたんだ。

彼の言葉に少しばかり動揺してしまい、一瞬目を見開いたあと視線をそらせた。

「さっきはあまりにもじっと看板を見つめていたから声をかけるタイミングを失ったって言ったけど、ほんとは泣いてる君に何て声を掛けていいのかわからなかったんだ」