浮気

7/33
前へ
/34ページ
次へ
「大丈夫?」 頭上からの声に顔を上げると、端正な顔立ちをした超イケメンな男の人が視界に飛び込んできた。 「だ、大丈夫ですっ!」 瞳は少しつり上がっているのに鋭い感じが全くなく、むしろそこからは優しさが滲み出ていて、その瞳に吸い込まれるように見入ってしまう。 そのせいで心臓が活発になり、うまく言葉が出てこなくなってしまった。 目の前のイケメンは、そんなあたしを見てぷっと吹き出した。 「キョドってる」 そう言った後も、口許に手を当てながら可笑しそうに笑いを堪えている。 自分がキョドっているという自覚があるから、なにも言い返せなくてそのまま俯いた。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

572人が本棚に入れています
本棚に追加