572人が本棚に入れています
本棚に追加
しばらくその状態が続いていたけれど、
「何かご用ですか?」
という彼の声で顔を上げた。
「え」
でも初対面で『何かご用ですか?』なんて言われても、どう答えていいのかわからないから黙っていたら、
「うちの看板を食い入るように見てたから」
なんて言ってきて。
って!
「うちの看板?」
「そ。これ、俺の店」
そう言って彼が指差したのは、さっきまで見惚れていた花吹雪の看板。
最初のコメントを投稿しよう!