浮気

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しばらくその状態が続いていたけれど、 「何かご用ですか?」 という彼の声で顔を上げた。 「え」 でも初対面で『何かご用ですか?』なんて言われても、どう答えていいのかわからないから黙っていたら、 「うちの看板を食い入るように見てたから」 なんて言ってきて。 って! 「うちの看板?」 「そ。これ、俺の店」 そう言って彼が指差したのは、さっきまで見惚れていた花吹雪の看板。
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