第1章

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桃子が16になった時、村では恐ろしい話し合いが来る日も来る日も行われていました。 それは、20年に一度、村から年頃の娘を一人、鬼への供物として捧げなければならない、生け贄を決める為の話し合いでした。 年頃の娘を持つ親たちは、誰もが自分の娘を鬼に差し出す事に難色を示し、娘を持たない村人達は、生け贄を差し出さなければ鬼にこの村は壊滅させられると、焦りを示していました。 村人達は、一人、又一人と、桃子を生け贄にする案に賛同していきました。 それは、いくら見目麗しく、心優しい娘だとしても、桃子が桃から産まれた妖しだと、皆が思っていたからです。
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