第1章

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「次は藍ちゃんかな~。藍ちゃんは…これ!」 ばっと取り出したのはミニ丈の浴衣。黒をベースに、淡い色で薔薇が描かれている。 「これを、ウェイトレス風にアレンジして…」 言いながらどこから取り出したのか、裁縫道具を手に、レースを縫い合わせていく。 「うわ…」 見る間に、エプロンの付いた浴衣ドレスに仕上がった。 「…すごい…!」 藍が感心して溜め息を吐いた。 「ふふっ、びっくりした?藍ちゃん♪」 「は、はい…!」 頬を紅潮させていそいそと着替える藍に、カイリが甘い声で訊ねる。 「ねぇ…藍ちゃん?」 「はい?」 「じゃあ俺のお嫁さんになって?」 「なぜそうなるんですか!」 顔をさらに赤くして怒る藍に、カイリは「そっか~ダメか~」とさして残念がる様子でもない。
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