1、それは暑い夏の日に

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名前も知らない不良さんを眺めながら、今の状況を華ちゃんが見たらぶちキレるよねぇって関係ないことを考えた。 関係なくもないか。 「けい、圭介」 「けーすけ?」 しゃがみこんで、砂っぽい床に圭介と書いて見せた。 「圭で良いよ。みんなそう呼ぶ」 「けーすけ、圭介のが良いなぁ」 「……好きにしたら」 呆れたように私の顔を見たけれど、別に怒ってはいないみたい。 怒ってないならいいかな。 だって、けーすけのが言いやすい。 一回言っただけで、直ぐに口に馴染んだもん。 口のなかで、けーすけって繰り返していると、圭介はまた呆れたように肩をすくめた。 「ねぇ、圭介って怖い人?」 「それ、本人に聞くかな?」 「だって、誰も他に聞く人が居ないんだもん。華ちゃんは関わっちゃダメって言ってたなぁって、さっき思い出した」 「……友達に同情するよ」 う~ん、なんで華ちゃんに同情するのか分かんないや。 あっ、私がトロいからかぁ。
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