1、それは暑い夏の日に

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部活帰りの華ちゃんと並んで、夕暮れ時の町を歩いた。 長く伸びた影は、スラリと背が高くてくびれの魅力的な華ちゃんのものと、なんだかちんまりした私のもの。 幼馴染みでも全然違う。 全然違うけど仲はいい。 全然違うからいいのかな? 「相当なリピーターなのに、今まで全く当たらなかった事が奇跡みたいなものだもんね」 「そうかな~?そんなみんな当たる?」 「あんまり食べないけど、当たったことあるわよ」 う~ん、なんでだろ? まぁ、良いや。当たったんだもん。 でも、なんだかアイスキャンディに変えちゃうの勿体無いなぁ。 取っとこうかなぁ。 「雪、取っとくつもりならちゃんと洗って乾かさないとカビるからね」 「あれ?」 「思った事、顔に出すぎ」 「そうかなぁ、でも洗って乾かしとこうっと。ありがと、華ちゃん」
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