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「今度、ちゃんとお礼しないとね」
「えっ?」
「ごめんねって沢山言うより、遅刻させちゃってごめんね、でもありがとうって沢山言った方が圭介くんは喜ぶと思うわよ」
でも、迷惑かけたのは事実だから何か包まないとね。
なんて言っているお母さんをまじまじと見つめながら、圭介の呼び方が『木名瀬くん』から『圭介くん』になってるな、なんて思った。
自分の回りの人たちが、圭介と仲良くなるのは嬉しい。
出来れば、同じ高校の友達も一緒に仲良くしたいんだけどね。
それはまだまだ無理かなぁ。
枕にポスンと埋まりながら、この間のギラつく圭介を思い浮かべた。
あんなの見たら、もっと怖がられちゃうね。
でも、相手がみんな倒れてからの虚しそうな圭介の目を忘れられない。
琥珀色の瞳に浮かぶ色があまりにも暗くて、自分から声を掛けられなかったんだもん。
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