4、殴られる覚悟

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「本当に、もう大丈夫?」 「うん」 暑い日差しのなかを、圭介と並んで歩く。 結局学校は2日休んだけど、昨日は大事をとって休んだって感じで、今日はもう元気! それでも圭介は心配なのか、何度も辛くないって聞いてくる。 「ねぇ、圭介」 「なに?」 「ありがとう」 「えっと……?」 「圭介、私が寝てからもずっといてくれたんでしょ?」 「あぁ、雪ちゃんが手を離してくれなかったからね」 おどけて笑う圭介のほっぺは、だいぶ治ってきたみたい。 まぁ、まだ痛々しい色はしてるけど。 「だって、圭介の手って安心するんだもん」 「ぅ……」 「圭介?」 急にしゃがみこんでしまった圭介の頭を、なんとなくよしよしって撫でた。 たぶんね、圭介はなでなでされるの好きだもん。 嫌がらないで、おとなしく撫でられてるもんね。
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