2、銀色の狼

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次の日、圭介と帰った自分が注目されてたなんて、まったく知らなかった私は、教室までの廊下でなんでこんなにジロジロ見られるのか分からなかった。 あれ?なんか変かな? 頭に酷い寝癖とか? ガラッ 教室のドアを開けると、一斉にみんなの視線が集まったのが分かる。 ん? 「おはよう~」 「おはよう。雪、昨日なにしたの?」 「昨日?天ぷら揚げた?」 「はい?」 なに馬鹿言ってんの? って華ちゃんの顔にかいてあるから、どうやら質問の意味を理解してなかったらしい。 えっと、昨日がどうしたって? 「ねぇ、茅野さんってあの人と付き合ってるの?」 仲が悪い訳じゃないけど、苗字で呼び合う程度の距離の人が恐る恐るといった風に聞いてきた。 「あの人?」 「校門で雪を待ってた人に決まってるでしょー」 「あっ、百合ちゃんおはよう」 「おはよう、じゃなくってー!」 「ん?」
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