10、夜の瞳

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「雪?」 バカみたいな私の声に、休戦したのかお兄ちゃんが怪訝そうな声を出した。 「ずっとお腹減らなかったのに」 圭介が目の前にいるからかな。 ちゃんと食べ物をみて、ぐぅってお腹が鳴いたよ。 「……そっか、じゃあちゃんと食え」 「うん」 味がするかどうかは別問題だけどね。 お兄ちゃんによしよしと頭を撫でられながらいただきますと手を合わせた。 どれから食べようかな? 華ちゃんのお母さんが用意してくれた朝ごはんは、和食です。 黄色のだし巻き玉子がおいしそう。 華ちゃん、味噌汁を温めるくらいは無事に出来るようになったんだね。 「雪、冷蔵庫スイーツだらけだから、ごはん終わったら好きなの食べていいわよ」 「うん」 もう食べるのは決まってるんだけどね。 お兄ちゃんや十夜が買ってきてくれたスイーツが冷蔵庫にはぎっしり詰まっている。 あっ、リュウさんも持ってきてくれてたかも。
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