11、空の色

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リュウさんが手配した人達がいそがしく動いている脇で、圭介と私はぼーっと突っ立っいた。 だって二人ともなんの役にもたたないんだもん。 やっと姿を現した圭介の愛車は、見るも無惨な姿になっていた。 「圭介……」 圭介が、こうなってしまっていたかもしれない。 そう思うと怖くて怖くて、ちょっとだけうさちゃんが嫌いになる。 ううん、うさちゃんは悪くないんだけど…… うん……圭介が無事でよかった…… 「圭介……移動どうするの?」 ずっとバイクに乗ってたんだろうに。 「まぁ、どっちにしろしばらくバイクは乗れないしね」 歩くよって笑ってる圭介を見上げて、きっとすごくつらいんだろうなと思った。 お兄ちゃん見てたから分かるよ。 どんなに疲れてても、バイクのメンテナンスしてるときはキラキラしてたもんね。 そして、自分がすっかり薄汚れても、ピカピカになったバイクを前にした笑顔は、やっぱりピカピカしていたもの。 「圭介……」 「引退したし、ちょうどいいよ」 「でも、私圭介の後ろに乗るの好きだよ?」 だからね、いつかまた乗ろうね。
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