11、空の色

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「かわいいのは、雪ちゃんだよ」 「ふへ?」 「とりあえず食べちゃわないとベタベタになるよ」 うんって頷いて、上の方をパックリくわえる、そこに文字が書いてるのが分かった。 いきなりピョンッと跳ねたから、圭介が驚いてとっくに食べ終わっていた棒が、圭介の口からピョンッと飛び出した。 「ど、どうしたの?」 かがんでアイスキャンディの棒を拾う圭介に、さらにパクッと食べて減った棒をグイッと見せた。 あぁ、当たったんだ良かったね。 そう言って笑う圭介の手には、砂だらけのアイスキャンディの棒。 アイスキャンディの棒のポイ捨てもしない自称不良の銀色狼。 だって、頭はこんな色だけど、私圭介が悪いことしてるの見たことないもん。 あっ、喧嘩してるのは見たことあるけど。 「圭介といると当たるの」 圭介が買ってくれたアイスキャンディ以外当たったことがない、とも言うね。
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